ネパールの地形

ネパールの国土は狭く、ごく短い南北の距離の中で、急激に地形が変わります。農業地として最適な沖積帯ガンジス平野部から、ヒマラヤ高峰群のある、土地としてはほとんど使い道のない凍土にまで範囲が及んでいます。この両極端な南北二つの土地の間に丘陵地帯や低山地帯が横たわっており、これらはチュリア山岳帯やマハーバーラタ山地として知られています。またヒマラヤ内陸部には砂漠帯にも似た渓谷があり、カリガンダキ川上域帯やベリ渓谷として知られています。これら渓谷はいずれも標高3,600m以上に位置しています。

上部ヒマラヤ

海抜4,000mから8,848mまで広がる上部ヒマラヤは国土面積の15%を占め、ここに世界14座中8座もの8,000m峰(8,000mを超える高峰。世界に14座ある)があります。 この8座は、エベレスト、カンチェンジュンガ、ローツェ、マカルー、チョ・オユー、ダウラギリ、マナスル、そしてアンナプルナです。 ヒマラヤ高地は極寒の地であり、風も強く、このすぐ下の地域には人が住んでいることを思うと殆ど人を寄せ付けない土地とも言え、また農耕地としても下部ヒマラヤよりやせていて不毛なため、耕作は殆ど行われていません。と書くとまったく使い道のない土地のようにも思えますが、海外からお出でになるトレッカーやクライマーの皆さんを惹き付けているのは他でもない、この上部ヒマラヤである、ということもまた事実です。

丘陵帯と低山ヒマラヤ
国土の大半を占めているのが丘陵地帯と低山ヒマラヤで、人が一番多く住んでいるのもこのエリアです。国土面積の68%を占めるこのエリアは温暖な気候に恵まれており、その土地も上述の上部ヒマラヤ地帯よりはるかに肥沃です。高いところでもマハーバーラタ山地の海抜4,000mまでとなっており、おなじ山岳地帯のチュリアはこれよりいく分低く、首都カトマンズもこのエリアに属しています。ツーリストが来訪するおなじみの土地、ポカラやタンセンもこのエリアに属しています。

タライ地方
ネパール南部に広がる平野部はタライ平原と呼ばれ、ネパールの西国境から東国境までをカバーするように国の南部地域に横たわっており、国土面積の17%を占めています。ネパールの最低標高点もこのエリアにあって、その地の標高は海抜70mに過ぎません。亜熱帯気候に恵まれた極めて肥沃な大地で、国土人口の食用穀物の大部分をまかなっています。また南部タライ平原には数多くの保護区があり、チトワン国立公園やバルディア国立公園、シュクラ・パンタ野生動物保護区、コシタップ野生動物保護区等には驚くほどバラエティーに富んだ野生生物が居住しています。この中には絶滅危惧種であるロイヤルベンガルタイガー(Royal Bengal Tiger)や、一角サイ(One-horned rhinoceros)、ガンジスイルカ(Gangetic dolphin)等も含まれています。