チャングナラヤン

バクタプルの田園地帯をぐるりと見渡す丘の高台に、チャングナラヤン寺院は荘厳に建っています。寺院の開基は4世紀に遡り、救済の主・ヴィシュヌ神が祀られています。5世紀頃のものと思われる寺院の石銘には、カトマンズ盆地で最も古い寺院の1つであると刻まれています。この寺院は紀元初期のネワール様式の芸術と建築の格好の見本となっており、石、木、金属等で造られた工芸品の典型例を見ることができます。

チャングナラヤン寺院の2段の支柱の上にナラヤンの10の化身像があります。また6世紀に造られたとされる石像は、ヴィシュヌ神の宇宙権現であるナラヤン神を現しています。ガルーダ(体の半分が男性で半分が鳥の姿)はヴィシュヌ神の乗り物です。ヴィシュヌ神の実物大の像は、寺院に対して跪くように設置されています。

ここで見られるヴィシュヌの重要な彫像:

ビシュワループ: ヴィシュヌの最も普遍的な姿を現わした非常に貴重な彫刻で、その歴史は8世紀に遡ります。

ヴィシュヌ・ヴィクランタ:: この石像は8世紀からの歴史を持っており、最も力強い体勢をしているヴィシュヌ像の一つとされています。この像はヴィシュヌが足で宇宙の大きさを計測しているところを現わしています。

ガルーダ(神話上の鳥)に乗ったヴィシュヌ: この像の歴史は10世紀に端を発しています。

ナルシンハ・ヴィシュヌ: これは上半身が人間で下半身がライオンのヴィシュヌ像です。紀元後464年に建立された石板には、突然死したネパール国王ダルマデヴァと、若くして王位に就いた彼の息子の人生が詳細に刻まれ、チャングナラヤン寺院の前に置かれています。その若き王となった息子が数々の戦争に勝利した後、勝利の証を石柱に刻んでチャングナラヤン寺院の前に設置したと言われています。学術的サンスクリット語による韻文調で記載され、殆ど百科事典と言って良いほど詳細に、その時代の社会や伝統文化について述べています。ドラドゥリ・ヴィシュヌ神(チャング=ドラドゥリ、ナラヤン=ヴィシュヌ、サンスクリット語)への祈祷文から始まっており、チャングナラヤンが、碑文に記されている紀元後464年より更に古くからあったことの証しとなっています。