アクティビティ
環境問題への配慮

ヒマラヤの環境悪化についてはこれまでさまざまな議論がなされて来ています。数年前から多くの外国人登山家やサガルマータ公害対策委員会、さらにネパール登山協会などの団体によって、教育プログラムや清掃活動が行なわれ、問題の多くを解決してきました。ヒマラヤ高地の生態系は壊れやすく、簡単にバランスを崩してしまいます。国立公園ではガラス瓶の禁止措置をとりましたが、結果として生物分解不可能なごみが大量に放置されることとなりました。トレッキング製品についているKEEPコード(※1)のように、環境を守るためにより多くの対策が必要ですが、誰よりもまず、登山家自身が対策を講じなければならないことです。

※1 KEEPコード=Kathmandu Environment Education Projectで策定されたコード

模範的なトレッカーになるためのヒント。

1)ネパールの典型的な食事であるダルバートは、調理に必要な燃料も少なくて済みますので覚えておきましょう。できるだけ他のトレッカーと同じ時間に同じ食事を摂るのも燃料の節約につながります。

2)身体を十分に暖かく保てる服装を用意することで、炊き木や薪を節約することが出来ます。周りのスタッフやポーターの服装を参考にすると良いでしょう。

3)子供達に物を与えるのは避けましょう。食事や宿代、スタッフサービスに対して正当な対価を支払い、土地の物を買うことで、山岳地帯の経済にいくらかでも寄与することができます。ただし持ち出しの禁じられている骨董品や工芸品を金銭で買い取るのは、時としてネパール文化の破壊や強奪につながりますので気をつけましょう。

4)ゴミ袋を持参してゴミを持ち帰るようにしましょう。特に自然分解が不可能なプラスチックゴミ等は必ず持ち帰って下さい。また紙類やゴミの焼却についても地元住民の許可を得る等、十分な配慮をしてから行って下さい。

5)女性であればヒザ下が十分に隠れるスカートかパンツズボン、男性であればパンツズボンまたはタイツスタイルのスポーツパンツ等であれば、地元の人々にとって失礼がない服装と言えるでしょう。

6)作業はできるだけ自分で行うように努力してみて下さい。といっても単独行は避け(男性であっても女性であっても)、せっかちな登山をすることのないよう(ゆっくり時間をかけて登るよう)気をつけましょう。

7)TIMSカードの提出は必須です。また危急時対策のために、大使館や領事館(部)へも登山届を提出しておくことをお薦めします。

8)他人にカメラを向けるときは礼儀を忘れないようにしましょう。まず最初に撮影して良いかどうかを尋ね、相手の立場や状況を考えて友好的に撮影を行って下さい。また、お金を渡すのは避けたいものです。

9)トイレ用の紙は出来るだけ燃やすようにして下さい。また用を足す際には、そこが神聖な土地や場所でないかを十分確認するクセをつけましょう。

10)シャワーを浴びる際や入浴の際に全裸になるのは避けた方が賢明です。女性の場合は現地人女性がよくやっているように、胸からヒザまでをすっぽり覆い隠す布を巻いて行うようにして下さい。

11)入浴やシャワーに利用した排水を直接河川に流すのは絶対にやめましょう。例え使用するシャンプーや石けんが自然分解可能なものであってもこれだけは避け、河川から離れた位置に散水するようにして下さい。またホットシャワーを要求するのは、そのお湯が省エネ型のストーブなどで沸かされることがハッキリしている時だけにしましょう。シャワーのために薪でお湯を沸かすなどは論外で、これは森林破壊による表土の流失や土砂崩れを招き、結局はその土地のためになりません。

12)プラスチックボトル入りのミネラルウォーターを買うのは極力少なくし、休憩時はお茶屋の水や飲み物を利用し、行動用の水は水筒を使うようにして下さい。水質が不安な方は浄水薬(ヨードなど)の持参をお薦めします。

最後に、トレッキングルートとして定められた踏み跡やトレイルを大きく外れて歩くと、その場所から地面の崩壊や流失が始まる原因となりますので、定められたルート上を正確に歩くようにして、快適なトレッキングをお楽しみ下さい。