アクティビティ
ジョムソンとムクティナート

ジョムソントレッキングは、ネパールで最も人気のあるトレッキングコースのひとつです。変化に富んだ情景や文化に出会い、農村部に住む生粋のネパールの人々の生活に目を見張ることでしょう。このコースの醍醐味はカリガンダキ川に削られてできた峡谷を歩くことですが、この川はチベット高原を源流とし、最後ははるかインドのガンジス川にまで達して、その激流の終焉を迎えます。

通常トレッカーはジョムソンを越え、仏教とヒンドゥー教の巡礼地として有名なムクティナートまで歩きます。ヒンドゥー教徒にとって、ムクティナートは霊魂を救ってくれる聖地です。人々はここの水で沐浴をすると死後必ず救済されると信じています。ヒンドゥー教の神ブラーマンが灯したと言われる永遠の炎は、今なおムクティナートで燃えています。一方、仏教徒にとってのムクティナートは、賢人リンポチェ(パドマサンババ)が瞑想に訪れた場所であり、また一般の人々にとっては、ガンダキ川上流でよく見られる、地元でサリグラムとして知られている化石化したアンモナイトが取れる所でもあります。ネパールのカリガンダキ川下流地域はグルン族とマガール族の居住地で、ジョムソン周辺はタカリ族の、ムクティナートからムスタンにかけてはチベットに起源をもつロパ族の、それぞれ居住地です。彼らの風習や民族衣装は極めて特徴的で、このコースはそうした民族や風習の多様性を観察するには理想的なトレッキングトレイルです。宗教においても、低地ではヒンドゥー教がさかんですが、高度を上げるにつれてチベット仏教が主流となってきます。9月上旬にムクティナートに行くことがあるなら、ネパールの中でも特にユニークな、年に一度の馬レース(草競馬)が行われる時期なので、ぜひ体験してみましょう。このお祭りはヤルトゥンと呼ばれて広く知られており、この期間は本気で執り行われるチベット式草競馬のための一週間で、ムクティナートの人々は熱心にこのお祭りを楽しんでいます。

ジョムソントレイルはそのほとんどが、アンナプルナ一周やアンナプルナ麓のトレイルの一部とされて来ました。ポカラからバグルンへ向かう自動車道上にあるナヤプルという町を始点に、ゴレパニ、タトパニを経由してカリガンダキ峡谷へ入って行きます。タトパニとレテ・コーラ(川)の間で、周囲の風景は劇的に変化します。マツ(pine)の森がトレイル上にまで入り込み、村々は全く異なる表情を見せはじめます。この土地の村のレイアウトや住宅の設計はこの土地独特のもので、毎日お昼前頃になると谷を吹き上がり始める強風から、住民を保護するような設計になっています。この風はチベット高原と谷の低地の間の大気圧の差が原因です。この地域に独特の建築物の格好のサンプルといえば、ジョムソンから2時間下った町、マルファで見ることができます。水はけを良くしようと石が敷き詰められた街と中庭をもつ平らな屋根の家が魅力的で、ここで一日ゆっくりしたいという気持ちにさせられます。時間に余裕があれば、渓谷上部にある、緑豊かな果樹園産のリンゴ製品を試食して過ごすのも良いでしょう。

ジョムソンには飛行場があり、ポカラから毎日出ている定期便によって迅速なアクセスができることで知られています。谷沿いを吹き上げてくる強風のため、午前11時以降はジョムソンからのフライトは離陸できません。ジョムソンはカリガンダキ上流域を探索するトレッカーたちの拠点としても利用が考えられます。ここにはまだ新しい高級リゾート施設を含め、多数の宿泊施設があります。

ジョムソンに替わるトレッキングのベースになるのは、ジョムソンから歩いて2時間のカグベニの村です。カグベニはジョムソンほど商業化されていないため、こちらの方が静かで落ち着いているには違いありません。ここは政府の環境保護官の付き添いや特別トレッキング許可証なしでトレッカーが入れる最終地点であり、この先に行くにはこれらのアレンジが必要になります。詳細は高地ムスタンのトレッキングのページをご覧ください。カグベニからムクティナートは3~4時間なので日帰りでも歩けますが、ムクティナートにある数々の簡易ロッジに一泊する選択肢もあります