芸術と建築様式

カトマンズ盆地には数々の芸術作品や建築構造物の典型例が実存点在しており、古代ネパールが芸術美に傾倒していた事実を端的に示しています。カトマンズ盆地内ではいくつかの建築遺跡が、ユネスコによって世界遺産として認定されています。盆地外では唯一、ブッダの生誕地として知られる南ネパールのルンビニが、世界遺産に指定されています。

建築物もそうですが、ネパールのほとんどの芸術作品は宗教に立脚したものです。ネパールの芸術作品は、かの有名な仏教徒のタンカ画(Thanka)やネワール族の巻絵であるパウバ(Paubha)に始まり、伝統的木材工芸品、同じく金属工芸品など、多岐にわたっています。文学、演劇、音楽、舞踊などその他の芸術もまた、多様なネパール社会を映し出しています。

ネパールの芸術はその黎明期から、深く宗教の影響を受けています。ネパールの初期芸術は、石像や寺院建築の形で見ることができます。その他にもネワール族の巻絵であるパウバとチベットの仏画であるタンカ、木材・金属工芸品、陶磁器・土器、織物、紙製品、チベット絨毯(じゅうたん)、音楽、文学などの芸術作品があります。 近代芸術に関しては、伝統的観念世界を取り扱う絵画と、現代西洋美術様式の作品群との二つに明確に区分されます。中でも現代絵画については、自然界を取り扱った作品や、タントラ的要素や社会的テーマを取り扱った作品などが注目されており、これらをテーマにした抽象絵画でネパール人画家も国際的な評価を得るようになっています。

カトマンズ盆地には、古代近代を問わずあらゆる芸術作品を展示する博物館や美術館が多数あります。例を挙げると、国立博物館(チャウニ)、カトマンズ・ダルバール広場の博物館、自然史博物館(スワヤンブ)、国立図書館(プルチョーク)、カイサール図書館(タメル)、国立ビレンドラアートギャラリー(ナクサル)、アーシャー公文書館(タンガル)、国立美術館(バクタプル・ダルバール広場)、国立木彫美術館(バクタプル・ダルバール広場)、真鋳・青銅美術館(バクタプル)、ネパール国立民族学博物館(ブリクティ・マンダップ)などがあります。 このほかカトマンズ盆地外には、ダンクタ博物館、ハッティサール博物館(いずれもビンペディ)、ムスタン環境博物館(ジョムソン)、タルー文化博物館(タクルドワラ)や国際山岳博物館(ポカラ)などがあります。