パタン博物館

数多い「修復建造物」の中でも、このパタン美術館ほどの成功をみた例も少ないでしょう。マッラ王朝時代に建設された旧王宮の一部を改装修復したこの博物館は、華やかな金めっきのドアがダルバール広場のクリシュナ寺院に面して配置され、神像を中心とした金属彫刻の素晴らしい作品が展示されています。これら展示物の数々は、オーストラリア・ネパール両政府が苦心して共同事業を成し遂げ、見事に修復されました。

この博物館を収容している王宮の一部はケシャブ・ナラヤン・チョークとして知られ、その歴史は1734年に遡ります。長い間この部分の建物の整備を怠ったため、施設は徐々に劣化し、木材建築も老朽化してしまいました。しかしその後修復作業に専念した結果、1997年ついにパタン博物館としてのオープンに至ったのです。中庭は美しく修復され、コンサートやその他イベントの開催地となっています。

館内の展示物はネパール文化の長い歴史全体をカバーしており、中にはマッラ時代の王座など貴重な作品も飾られています。ここでは今なお生き続けるヒンドゥー教および仏教の伝統に則して、多くの芸術的工芸品の持つ意味合いを説明しています。青銅の鋳物や銅板打ち出しをめっきした作品(repouseé, embossing)などは、数世紀前から続いているネパール金属芸術の代表格とされていますが、この類のものは今もパタンに息づいている伝統芸術であり、世代を超えて受け継がれてきているため、今でもパタンは神像や仏像制作の地としてその名を知られています。

博物館はネパール文化の長い歴史全体をカバーしており、貴重な作品群の中には希少価値をもつ作品も含まれています。これら作品には豊富な説明文が付けられ、それぞれの持つ意味合いや背景が、今なお生き続けるヒンドゥー教および仏教の伝統に則して語られています。ほとんどの展示品は青銅の鋳物や銅板打ち出しのめっき作品(repouseé, embossing)です。

国内に存在する1500点以上の文化的芸術作品のうち、300点がパタン博物館の永久展示物として選定されています。展示品の大多数はヒンドゥー教や仏教の神像で、カトマンズ盆地内で制作されており、その大半が博物館近郊のパタンで作られた作品です。他にも、インドやチベット、ヒマラヤ西部を起源とする作品も展示されています。これらの作品には、学者で著作者のメアリー・スラッサー(ネパールマンダラで著名な人物)による注釈が添えられており、ネパール文化遺産全体を踏まえた上で、その一部としての各作品の宗教的精神や歴史的特徴、芸術的特徴についての解説が試みられています。館内の展示物とその解説を理解することを通して、博物館の外にある様々な現存する文化遺産をも理解出来るようになることを意図した展示がなされているのです。