風習

ネパール社会は驚くほど多様性に富んでいます。これはすなわちネパールが多民族国家であり、それぞれが異なった風習と信仰を持っていることを意味しています。 主な分類はまず宗教を基準として考えることが可能で、ヒンドゥー教徒と仏教徒が二巨頭、その他に、ジャイナ教徒、イスラム教徒、キリスト教徒、シーク教徒、さらにはそれぞれの民族固有の信仰等が見られます。また、同じヒンドゥー教徒であってもそれぞれの民族によって別の風習をもっており、例えばネワール族などは、一族の少女がベルフルーツと象徴的な結婚をする「ベルビワ」と呼ばれる特殊な儀式を行っています。ちなみにネワール族は、ヒンドゥー教徒と仏教徒の2つに分割されます。

全ての風習や儀式の中でも、特に興味深いのは、結婚に関する約束ごとです。伝統的な家族における結婚は、少年少女が成人した後、両親の同意によってアレンジされます。法的には廃止されているものの、幼児婚や一夫多妻婚も、今なおネパールには存在しています。一般にはヒンドゥー教の形式・習慣を踏襲することが多いものの、それぞれの民族にそれぞれ異なった結婚の儀式があり、実際に執り行われています。両家両親の正式な承認を待てずに、形式的には駆け落ちとなってしまうことが半ば習慣のようになっているケースも多く、また中には新婦が懐妊するまで正規の式は挙げない、などの習慣さえあります。ネパールの風習は人々同様、さまざまなのです。

結婚が可能な年齢は、女性は18歳以上、男性は21歳以上と法律上決まっていますが、こうした法律は厳密には守られていません。今日ですら、ほとんどの結婚は両家の両親がアレンジするものとなっています。村にはまだ幼児婚が残っていますし、カトマンズでも、特にネワール族社会では、兄弟姉妹を2組、組み合わせて同時に結婚させるのも特に珍しいケースではありません。しかし最近では、特に教育を受けた人たちの間で、恋愛結婚も一般的になってきています。結婚式は、数日間にわたって入念に行われ、一連の行事には、ブラスバンドによって演奏される音楽に導かれたパレードで、花嫁を花婿の家に連れて来る行事が含まれています。本来このバンドは民族楽器による「パンチェバジャ」のアンサンブルによって構成されていましたが、近年ネパール人は、耳が聞こえなくなってしまいそうな騒々しいブラスバンドを選ぶようになってきました。  
「お食い初め(パスニ)」の儀式は、子供にとって重要な行事の1つです。家族と聖職者の前で、7ヶ月の子供は華美な服を着、家族全員からコインの上に乗せた米を与えられます。トレーの上にいくつかの物を載せて子供に見せますが、トレーには土だんご、もみ(精米していない米)、レンガ、おもちゃ、指輪、ペンとインクポット、本などが載せられています。子供がどれを最初に手に取るかで、その将来の職業を占うことができると言われています。