カトマンズ(カンティプール)

伝説によると、かつて一つの湖があり、周りを緑豊かな森が覆う山々で囲まれていました。この美しい湖には、巨大な蛇が住んでいました。ある晴れた日、マンジュシュリが、手に持った剣を一挙に振り下ろし、今はチョバルとして知られている湖の周りの山の一端が切り開かれました。湖の大量の水は肥沃な流域を後にしながらどっと流れ出し、この涸れた湖の跡が、今、私たちがカトマンズ盆地と呼んでいる場所だとされています。
かつてカンティプールの名で知られたカトマンズは、ネパール最大の都市であると同時に、政治的、文化的中心地でもあります。どこにも引けを取らない気持ちの良い気候に恵まれたこの大盆地は、生活の場としても比較的安全な所と言えます。あまたある他国の大都市と同様、カトマンズもここ十年間で急速な発展を見せており、街ではこうした場合に典型的な喧騒が起こりがちではありますが、それでもまだ人々は相変わらずすがすがしく、友好的です。古く素晴らしい宮殿、見事に作られたパゴダ、堂々としたストゥーパは、ネパールの黄金時代を髣髴とさせるものです。盆地の元々の住人であるネワール族の熟練した職人が持つ芸術的な才能のレベルの高さは、その技術が時の王・マッラによって擁護され、さらには18世紀中国のモンゴル支配者によってさえ評価されていたことによって立証されています。旧王宮街、スワヤンブナート、ボダナート、パシュパティナートがユネスコ世界遺産の記念建造物に登録されたのも自然なことであったと言えるでしょう。
アサン中央の、より古い地域は、小さな裏通りの迷路に約50m毎に寺院もしくは小さな祠が点在しています。カトマンズは古代の伝統が最新の技術進歩と交わっている都市です。しかしながら、優美に造られた木彫りの窓枠や18世紀のブロンズの彫刻、あるいはボダナートにある、宗教心をかき立ててくれるストゥーパなど、古代にあふれていた崇高さが観光客を魅了する場所でもあります。

古代の伝統を保持しているカトマンズは、生き神ばかりではなく、タントラ教の秘儀経典を説く司祭や、高い宗教能力をあがめられている、生まれ変わりと信じられているラマ僧などにも恵まれています。この街は時々祝福を求める信者の集団が街頭で壮観な宗教的行進を繰り広げるなど、今なお生き続けている伝統を、記録ではなく実際に目にすることのできる、活気あふれる都市と言って良いでしょう。観光名物としての宗教的祭祀行事のほとんどは伝説に満ちあふれ、壮観な山車の行列、神がかりな仮面ダンス、神に捧げる生贄などを見ることが出来ます。

般情報

地質学的研究によって、カトマンズはかつて大きな湖であった事が立証されています。カトマンズ、パタン、バクタプールの3つの都市は、何世紀にもわたり多くの戦いと策謀を見てのち、豪華な宮殿や広場、芸術的な寺院、その他の美しいデザインの記念碑等々を建設し、芸術的に競い合うことを通してカトマンズ盆地に恩恵をもらして来ました。この文化遺産の豊富さ故に、ユネスコは、盆地内にある3つの王宮広場、2つのストゥーパ、2つの寺院を世界遺産として指定しました。面積は564平方キロメートル、高度は海抜1,348mです。見事な木彫、巧みに作られた像、彫像、建築及びパゴダやストゥーパに表現された、ネワール住民の芸術的な輝きを見つけることが出来ます。盆地内では何世紀もの間、仏教徒とヒンドゥー教徒が宗教的な調和を保ちながら共存しています。また、両方の宗教に共通している神も多くいます。

カトマンズ周辺

アサン: かつて旧カトマンズ市街の中央に位置していたアサンには、放射状に延びる6本の道路があります。3階建パゴダ型のアンナプルナ寺院は、ここで開催されるほとんどの祭礼において極めて重要な役割を果たしており、穀物の女神もここに奉られています。この他の重要な寺院として、ガネーシャ神を奉る2階建て寺院があります。アサンは今でも、重要なショッピングセンターであり、輸入された香辛料から台所用品、新鮮な野菜、中国の商品、金物、衣料品まで、ところ狭しと販売され、最も賑わっている市場の1つです。

タメル: タメルはカトマンズのツーリスト地区として、夜遅くまで賑わい続けています。カトマンズの中心から徒歩10分圏内にも関わらず、ここだけは他のどの場所とも完全に違う街と言って良いでしょう。タメルは、多くのホテルやレストランやバーが並び、書店、魅力的な土産物店、サイバーカフェ、旅行代理店等、ツーリストに必要なものをほぼ完全に満たしている街であると言って良いでしょう。ここでは旅行に必要なものは言うに及ばず、旅の道ずれや友人でさえも見つける事が出来ます。  

ダラハラ: 雲に向かってそびえるカトマンズの陸標ダラハラタワーは、高さ50.5mで、1832年当時首相であったビムセン・タパによって建設されました。かつては一般には公開していませんでしたが、近年公開するようになり、誰でも入場料を支払えば上まで登る事が出来ます。360度見渡せるカトマンズ盆地の眺望は新鮮で、長い螺旋階段を登ってでも見る価値はあります。
 

バラジュー庭園: カトマンズの北西5kmにあるバラジュー庭園は、静かにくつろげる場所として理想的です。公園には、18世紀に造られたという、一列に並んだ22個の石の噴水があり、それぞれがワニの頭で飾られています。例年祭礼の間、人々は、沐浴のためにここを訪れます。庭には誰でも入れるプールがあり、花壇のそばの池にはたくさんの魚が泳いでいます。ブダニールカンタ神の石像のレプリカは、言い伝えのために本物のブダニルカンタの石像への訪問を禁止されている王室のために、特別に造られたものです。

ガーデン オブ ドリームズ: タメル地区にあるガーデン オブ ドリームズはケサール・マハルの一部で、宮殿は1895年に、当時の首相・ビール・SJB・ラナによって建設されたものです。後に彼の息子であるチャンドラ・SJB・ラナに相続されましたが、 彼もまた美しい庭作りに力を注ぎました。そしてこの美しい庭園は最後に、彼の息子であるケサールへ結婚祝いとして贈られました。美的感覚を兼ね備えた偉大な学者であったケサール・SJB・ラナは、この庭園を芸術作品へと変貌させました。そこには、素晴らしい芝生や鳥が巣を作れる森、花壇、アヒルの池などがあります。ケサールは庭園内に、非常に美しく調和の取れた東(あずま)屋、噴水、装飾用の庭用家具、さらにベランダ、パーゴラ、バルコニー、壷、巣箱などヨーロッパの特徴も付け加えました。彼はまた、支柱を持たない6つの印象的な東屋を建設しました。それらは、ネパールの6つの季節にちなみ、バサンタ(春)、グリシュマ(夏)、バルカ(梅雨)、シャラダ(秋口)、ヘマンタ(晩秋)、シシール(冬)とそれぞれ名付けられています。1965年にケサールが没すると、彼の家族はこの庭園やケサール図書館を含むケサールマハルの一部分を政府に遺贈してしまいました。その後この庭園は何年もほったらかしにされ、廃墟になりかかっていましたが、最近になって以前と同じように修復され復元されました。今日、この庭園は一般公開され、レストランやバーも併設され、庭園を維持するための入園料が徴収されるようになっています。


ブダニールカンタ:
ヴィシュヌ神の最も大きな石像である「ヴィシュヌ神仰臥像」でも知られるブダニルカンタは、カトマンズの北8kmに位置しています。直接ブダニルカンタとも呼ばれる印象的な像は、「ナーグ」として知られる蛇のベッドの上に横たわっています。小さな池の中央に設置されたこの5世紀の聖堂は、ハリボディニエカダシとカルティックプルニマの二度の大祭の際に、ヒンドゥー教巡礼者や多くの人々を惹き付けています。  

カトマンズ周辺のアクティビティー

カトマンズを探検する: カトマンズ、パタン、バクタプールの3つの都市は歴史的に重要な位置を占めており、多くの芸術的かつ文化的価値のある記念建造物を保有しています。至る所に、神や女神を奉る寺院があります。主な観光スポットはパシュパティナート、スワヤンブナート、ボダナート、チャングナラヤン及びカトマンズ、パタン、バクタプールの旧王宮広場など、世界遺産に指定されている場所です。
ネパールの芸術と工芸: 手工芸品は、ネパールの主要輸出品の1つであり、主なものとして貴金属工芸品、木彫品が挙げられます。ネワール社会は石や木、貴金属の彫刻術に恵まれており、先祖代々引き継がれて来ています。ネパール芸術の最も優れた工芸品としては、木彫、貴金属像、宝石、ククリの名で有名なゴルカナイフ、陶器、手透き紙、タンカとパウバ、ウールのカーペット、衣服などがあげられます。

ハヌマンドカ宮殿: カトマンズ中央にある歴史的なハヌマンドカ宮殿内に点在する3つの博物館は、一度は訪れてみる価値があります。シャハ王統治時代を象徴する、トリブヴァン、マヘンドラ、ビレンドラの各博物館です。ここでは、3世代に渡るシャハ王のライフスタイルを、彼等の執務室、ジム、狩り用の部屋、彼等が着用していた衣裳及び彼等のコレクションなどの形で展示しています。同じく、彼等が王座にあった当時の芸術品の収集物も展示してあります。古い王宮を訪問する際のハイライトの一つは外側に斜めに張り出した精巧な木彫が見事な窓枠で、これは9階建ての建物のバサンタプール側に見ることが出来ます。
国立博物館: スワヤンブナートの近くチャウニに位置する国立博物館は、かつてダラハラで名声を上げたネパールで最も有名な首相・ビムセン タパの住居でした。博物館には古代ネパール宗教美術の優れたコレクションをはじめ、古代の戦いの際に身に着けた衣装や見事な武器、ナポレオンⅢ世によって贈られた剣などが展示されています。特に興味深いのは、チベットの革製の大砲やネパール製のマシンガンです。コイン部門には、魅力的な骨董のコレクションが展示されています。仏教部門では、18世紀、19世紀の遺跡発掘中に発見されたタンカの断片が展示されています。

カジノ: カトマンズは小さな都市ですが、近い将来もう1箇所出来る予定のカジノを合わせると、なんと8つものカジノがあります。そこでは、ゲームとレクレーションが常時提供され、脇ではコンサートやダンスなどのエンターテイメントも充実しています。Casino Royale(ダルバールマルグ)、Casino Nepal(タハチャル)、Casino Anna(ダルバールマルグ)、Casino Tara(ボウダ)、Casino Rad(ラジンパット)、Casino Everest(ニューバネショール)、Casino Shangri-la(ラジンパット)をぜひ訪れてください。ルーレット、ブラックジャック、フラッシュ、トランプ21、カリビアンスタッドなどのゲームが楽しめます。

お土産: タメルでは、ツーリストのための様々な土産ものが売られており、ショッピングには理想的です。ネパール手工芸品、衣服、丹精込めて作られたタンカ、あらゆるデザインの宝石、宗教的工芸品、シンギングボウル、石の彫刻、木の彫刻、金属工芸品、チベットの骨董品、コイン、カーペットなど全てタメルにて購入することが出来ます。

タンカとパウバ: タンカはチベットの仏教絵画ですが、そのほとんどが、正規に訓練を受けたネパール人アーティストによって書かれています。パウバはネワールの宗教絵画です。これらの絵画は、宗教蒔絵の黎明期に築き上げられた手法にそって丹精込めて描かれます。これらの絵画は、宗教上重要な多くの深い意味を持っており、ほとんどが仏陀をテーマとして取り扱っています。タンカはキャンバスの上に描かれ、瞑想や祈りの目的に使われます。使用しない時は、ただ吊り下げておいたり、巻き上げて保管したりします。丹精込めて描かれたタンカには、数千ドルもの値が付くこともあります。タンカやパウバをお求めになるなら、タメル、ボウダ、パタン、バクタプールを訪れてみましょう。

ダルバート タルカリとチャツネ典型的なネパール食であるダルバート、タルカリ、チャツネは、お店の規模の大小に関わらず、どのレストランでも味わう事が出来ます。 

カトマンズへの行き方:
カトマンズ トリブヴァン国際空港(TIA)へのダイレクト国際線フライトは、ドーハ、ドバイ、バンコク、シンガポール、クアラルンプール、香港、成都、広州、デリー、ムンバイ、コルカタ、カラチ、イスラマバード、アブダビ、バーレイン、ダッカ、その他リンクしている都市から就航しています。同じく国内線フライトは、マウンテンフライトを含め、すべてTIA発着となっています。

冒険好きの方で時間に余裕があるなら、エキサイティングな陸路での移動を選ぶこともできます。カトマンズからは主要国道が、ほとんどの方々の目的地と思われるポカラ、チトワン、ルンビニなどへと繋がっています。その他、国境の主な都市ビールガンジ、バイラワ、カカルビッタ、ネパールガンジ、マヘンドラナガールからインドへ、そして、コダリ経由にて中国へ、それぞれ国道を利用し抜けることが出来ます。(陸路での移動にあたっては道路情報、安全情報を十分収集して下さい)